〜一般的な治療〜

以上の検査を基に、当院では夫婦生活のタイミング指導、排卵誘発、人工授精、妊孕能温存手術、腹腔鏡検査/手術、体外受精、顕微授精まで一貫した本格的不妊治療システムが整備されております。

●妊孕能温存手術
1.子宮内膜症
子宮内膜症とは、本来、子宮の内壁で増殖・剥離を繰返す“子宮内膜”とよく似た組織が、何らかの原因で、子宮の内壁以外の場所で女性ホルモンの影響を受けながら、月経周期と同様に、増殖・剥離を繰返す良性の病気です。不妊症・月経痛・性交痛の原因になるため、開腹して卵巣・卵管周囲やダグラス窩の癒着を剥離し、子宮内膜症の病巣を摘出し、子宮および卵巣を温存する手術です。
2.子宮腺筋症
子宮腺筋症とは子宮内膜腺が何らかの原因で子宮筋層内に潜り込み、女性ホルモンの影響を受けながら筋層内で増殖・剥離を繰り返し、子宮自体が肥大してしまう病気です。不妊症・月経痛・過多月経・性交痛の原因になるため、開腹して子宮腺筋症病巣を可能な限り切除し子宮を残す手術です。
3.子宮筋腫
子宮筋腫は成人女性の4人に1人の割合で発生すると言われる良性の腫瘍で、症状としては過多月経・月経痛・貧血・下腹部痛・腰痛・頻尿・便秘などがあります。子宮内腔の変形が生じれば不妊症や流産の原因にもなるため、開腹して筋腫核を取って子宮を残す手術です。

●腹腔鏡下検査/手術
不妊症(子宮内膜症、卵管性、原因不明)、子宮外妊娠、卵巣嚢腫等の患者さんが対象となります。通常、全身麻酔下に臍周囲を2cm程度横切開して腹腔内に筒状の内視鏡と腹壁を吊り上げる器械を挿入します。さらに両側腹壁より鉗子を挿入し、骨盤内を観察します。不妊症の患者さんの場合には、子宮・卵管・卵巣周囲を観察し、癒着があれば剥離し、子宮内膜症病巣があれば摘出やレーザーあるいは電気メスで焼灼します。子宮頚管より色素を注入し卵管の通過性も確認します。子宮外妊娠や卵巣嚢腫の場合には病巣を摘出し、正常の状態に戻します。

●骨盤灌水腹腔鏡検査
腹腔鏡検査は、検査だけの目的としては侵襲性が大きいため、膣よりダグラス窩腹膜増すより5mm径のファイバースコープを挿入し、観察だけを行う検査です。傷も残らず、日帰りでの検査も可能です。当院では九州で初めて導入、実施し実績をあげています。(学会報告、業績参照)

●体外受精
誤解されている方が多いのですが、人工授精と体外受精は全く別のものです。人工授精は排卵の時期にできるだけ多くの精子を卵子周囲に到達させる目的で精子を子宮の中に注入するものです。人工授精は排卵機能や卵管に異常の無い事が必要で、外来で簡単に行えます。
これに対して、体外受精は俗に試験管ベビーと言われるもので、性格には体外受精・胚移植法と言います。体外に取り出した卵子を小さなシャーレ中で精子と受精させ、受精卵を子宮の中に戻し着床させます。卵子や精子が卵管を通る必要が無いので、卵管が詰まっていて自然な妊娠が不可能な人や子宮外妊娠などで両方の卵管を失った人でも妊娠できる画期的な方法です。
さらに、精子状態が非常に悪く、通常の体外受精で受精卵が出来ない場合は、精子一匹を細い針で直接卵子の中に注入する顕微授精も行っています。また、たくさん得られた受精卵は凍結保存して別の周期に移植することもでき、採卵の回数を減らすことができます。これらは、当院では、すべて早朝より行い、午前中で帰宅できるシステムをとっており安全かつきわめて受け易いと好評を得ております。

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●0965-32-2344